カウンセラーにも見られる「境界線の混乱」

久しぶりに、
『アダルト・チャイルドが人生を変えていく本』
を読み返しました。

この本は、
アダルト・チャイルドが自分と向きあう本』(リンクは過去記事)の続編で、
この本もまた、AC(アダルト・チャイルド/アダルト・チルドレン)
関連の本の中では、定番の一冊です。

どのようにして、ACの辛さを軽減していくかのヒントが
たくさん書かれています。

 

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本書の中に、ACの「人との境界線が不安定」な部分に関する
記述がありました。

 

境界が混乱していると、自分の境界が侵されていることに気づかないだけでなく、他人の境界を侵していることにも気づきにくいものです。

つまり、誰かに支配されたり、誰かを支配しようとする不健康な関係にはまりやすいのです。

自分の境界を大切にする人は、他人の境界を尊重します。

●『アダルト・チャイルドが人生を変えていく本』
(アスク・ヒューマン・ケア/1997/P23)より引用

 

「境界線の混乱」は、本当によく見られる状態の1つですが、
これは現在お悩み中のクライエントさんに限ったことではありません。

カウンセラーにも「境界線の混乱」は、よく見られます。

 

たとえば、現在お悩み中の方のブログを読んだカウンセラーが、
頼まれてもいないのに、悩みを深掘りするような質問コメントをしたり……

返ってきた答えに、頼まれてもいないのに、
持論のアドバイスを押し付けたり……

 

そういったことは、よくありますが、
その場合、そのカウンセラー自身が
まだACの問題を解消できていないことが多い。

そのカウンセラーがこれまでどっぷりはまっていた、
そして今でも抜け切れていない「共依存」の関係の相手として、
悩んでいる人を求めているのです。

 

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「境界線の混乱」をしているカウンセラーは、
カウンセラーという立場を利用して、
悩んでいる人にしがみつき、支配しようとします。

そして、自分の欲求や自尊心や幼児的万能感を満たすために、
悩んでいる人を利用します。

 

「僕の書いてることスゴイから、読んで読んで!」

「褒めて!褒めて!」

「僕のおかげで、楽になったでしょう~」

「僕って、いいカウンセラーでしょう~」

「僕って、頼りになるでしょう~」

そんな心の声が、聞こえてきそうです。

 

悩んでいる人は、個人の領域への侵入に違和感や恐怖を感じながらも
(顕在意識では感じていないこともある)、
「せっかくカウンセラーの人がアドバイスしてくれたのだから」
ということで、ありがたく受け入れてしまいます。

だから、通常の方同士のやりとりにおける「境界線の混乱」以上に、
たちの悪いものだと思います。

 

※逆に、お悩みの方同士が50/50の立場で、
お互いの領域を尊重しながら自己開示しあったり、
学びや体験をシェアしあったりするのは、
素敵なことだと思います。

 

カウンセラーは、自身の「境界線の混乱」を解消することができて、
はじめて務まる仕事です。

「孤独への耐性」も必要だと思います。

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クライエントさんと「共依存」の関係に持ち込みたがるカウンセラーは、
クライエントさんがよくなることを阻害します。

「共依存」の関係に持ち込みたがるカウンセラーにとっては、
「共依存」の関係が壊れるので、
クライエントさんによくなってもらっては困るのです。

 

カウンセラーは、本来クライエントさんが自立していけるように、
サポートしていくもの。

「クライエントさんは自分から離れていって、
いずれ自分のことを忘れてしまう」

そのくらいがちょうどいいというか、それが当たり前のことだと思います。

 

私は離れていくクライエントさんを、
遠くから温かく見守っている。

そして、幸せを願っている。

そんなカウンセラーでありたいと思っています。

そういられるように、これからも自分の内面と向き合いながら、
しっかり学びと経験を重ねていきますね。

 

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今日も、ありがとうございます!

皆さまが、笑顔いっぱいでありますように!