カウンセリングの実技がわかる本(上巻) ~早い段階での助言は難しい

今日は、山本次郎先生の『カウンセリングの実技がわかる本 上巻』より
引用しながら、 私が最近、ひしひしと感じていることについて書いていきます。

 

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まずは、『カウンセリングの実技がわかる本 上巻』の簡単な紹介をします。

この本は、実際のカウンセリングや実技演習の進め方とコツについて
詳しく解説している本です。

たいへんきめ細やかに、ステップバイステップで手順が書かれています。

所々に載っている著者自らが描いたマンガも、
分かりやすさを助長しています。

自分の実践したカウンセリングやロールプレイの現場を頭に描きながら
読み進めていけるので、とてもいい勉強になる本です。

 

ここで、一箇所引用します。

 

情報提供を求めるクライエントは、一見すごく簡単そうだけれど、実際は相当難しいケースが多いのである。

●山本次郎著『カウンセリングの実技がわかる本 上巻』
(コスモス・ライブラリー/1999/P92)より引用

 

これは本当に、私もそう感じています。

初回面接など、相手から得た情報の少ない状態で
「○○○で悩んでいます。どうしたらよいでしょうか?」
と質問された場合、相手にとってためになる助言をすることは
とても難しいです。

※こういう質問は、とても多いです。

 

相手に関する情報が不十分な状態で、無理に助言をしようとしても、
適切でない助言になってしまう確率は、かなり高いです。

なぜなら相手自身が質問をしながらも、
自分の本当の悩み(や、その原因)がどこにあるのか分かっていない
ことが多いからです。

相手が問題の核心から目を背けるために、防衛機制を働かせて、
無意識に本来の悩みとは違ったことを話してくる場合もあります。

他にも、恐怖などの感情によって、意識的にごまかしている場合もありますし、
ある言葉を言ってほしくて、そこに誘導するために
本心ではない作為的な悩み相談をしてくる場合もあります。

(それが無意識で行われたりもします)

つまり、様々なケースが考えられるということです。

※そもそも、相手の悩みに関して、背景などを含めて理解すること自体、
即座にできることではありません。

 

ですので、相手の質問だけを聞いて、そのまま答えても
相手にとっても自分にとっても、しっくりこないことが多いです。

結果として、相手にしてみれば
「確かに助言はしてもらえたけれど、全然心に響かないし、何も変わらなかった」
ということになりがちです。

そうなると、「あのカウンセラーは全然分かってくれていない」ということになり
その相手は、二度とカウンセリングに来なくなる可能性が
高いのではないかと思います。

※ここでカウンセラーが、
「相手が来なくなったのは、自分が素晴らしい助言をしたことで問題が解決したからなのだ」 と誤った解釈をして、満足するようでは痛いです。

 

私自身、切羽詰った表情で、「どうしたらいいでしょうか?」と質問をされると
「何とか答えてあげたい」と思ってしまいがちなのですが、

相手に関する情報が不足した状態で、無理に助言をしたとしても
適切な助言ができない可能性が高く、お互いにいいことがありません。

その感覚が、最近身にしみて分かってきました。

 

これからは、「どうしたらいいでしょうか?」と
早い段階で相手から質問をされたとしても、
安易に助言をするのではなくて、
もっと相手のためになる方向に援助をしていきたいです。

具体的には、「助言が欲しい」という相手の感情に寄り添いながらも
助言出来るだけの情報が得られるまで、十分に「聴く」ことを大事にしたいです。

十分に「聴く」ことを続けているうちに、相手自身が気づきを得て
助言をする必要が無くなるかもしれません。

 

その流れを実現するためにも、
相手との信頼関係をしっかり構築していきたいと思います。

また、相手から見て、私が信頼に足る人物であること。

そして、私が学び続けて、知識の引き出しを増やしていくことも
大事なことだと思いました。

 

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今日も、ありがとうございます!

皆さまが、笑顔いっぱいでありますように!