助言のフォローとは、再び傾聴と要約に戻ること

3月に読み返して復習した、山本次郎先生の本、
カウンセリングの実技がわかる本 上巻』に引き続き、
『カウンセリングの実技がわかる本 下巻』のほうも
読み返して復習しました。

 

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『カウンセリングの実技がわかる本 下巻』には、
カウンセリングのセッション中の助言について、
詳しく書かれています。

 

どのような技法で、どのようなタイミングで、
どのような伝え方でクライエントさんに助言をするか。

これはとても奥の深いテーマです。

同じ助言をするにしても、伝えるタイミングや伝え方を間違えると、
クライエントさんに有効に活用していただけないばかりでなく、
カウンセリングそのものの進行にも
マイナスとなってしまうことがあります。

 

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私も不安障害(社会不安障害やパニック障害など)の
克服支援の専門家として、
助言内容の引き出し(すぐにでも活用できる有効なもの)は、
多数持っているほうだと思いますが(ブログで未公開のものが多いです)、
その伝える内容やタイミング、伝え方などには、
本当に慎重にならなければいけないと考えています。

 

そんな私にとって、
『カウンセリングの実技がわかる本 下巻』は、
とても参考になる本でした。

例えば……

 

カウンセラーが、ひとたび助言を始めると歯止めができなくなる恐れがあるので、第8回面接をもって助言をストップする。

初心者には適当な期間とか、中期と言う表現では、判断が難しい場合が多い。

そこで著者は助言の時期を、第6~8回面接に限定している。

そして、第9回~10回面接では、助言後のフォローをおこなう。

そのフォローとは、再び傾聴と要約に戻ることであって、続けて助言することではない。

●山本次郎著『カウンセリングの実技がわかる本 下巻』
(コスモス・ライブラリー/2001/P217)より引用

 

「この場合はこうしたらいい」という助言を並べることが、
クライエントさんにとって必ずしも有効なことだとは限りません。

カウンセラーが、助言や説明をどんどん展開していきたくなったとき、
それはもはや「クライエント中心ではなくて、カウンセラー中心」に
なってしまっている恐れさえあります。

(カウンセラーが、自分の欲求を満たすために助言を行っている状態)

本当に、気をつけなければと思います。

 

助言の時期については、用いる技法やカウンセラーの
スタイルによっても変わってくるとは思いますが、
「ダラダラと助言し続けない」ということは
大切に守っていきたいと思います。

 

「助言のフォローとは、再び傾聴と要約に戻ること」

聴くことにに始まり、聴くことに戻る。

改めて、自分の中に再インプットしました。

 


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今日も、ありがとうございます!

皆さまが、笑顔いっぱいでありますように!