不安障害がよくわかる本 ~等尺性リラクゼーションについて

今日は、福西勇夫先生監修の本、
不安障害がよくわかる本』を紹介します。

本書より引用しながら、
「等尺性リラクゼーション」という
リラクゼーション法についても書いていきます。

 

本書は、社会不安障害、全般性不安障害、
パニック障害、PTSD、強迫性障害、新型うつ病といった
不安障害+αの、症例や症状について解説されている本です。

各疾患ごとに、
簡単な質問に答えることで自分の状態をチェックできる
セルフチェックシートも付いています。

薬物療法と認知行動療法の簡単な紹介や
呼吸法、リラクゼーション法などの解説も載っています。

 

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自分の症状でお悩みの方が、
症例を読みながら自分を振り返ってみたり、

セルフチェックシートによって
自分の状態をチェックしたりできるところが
本書のいいところだと思います。

 

(もちろん、自己判断のみで病名を決め付けないで、
参考にとどめていただきたいところではあります)

 

ここから本書で解説されている
「等尺性リラクゼーション」について書きますね。

等尺性リラクゼーションの「等尺」とは、
筋肉の長さを変えずに行うということを意味しています。

 

等尺性リラクゼーションに似ている方法としては、
漸進的筋弛緩法(PMR)があります。

漸進的筋弛緩法の場合は
手、腕、頭、顔面、首、肩、胸……などの筋肉を
緊張させて(力を入れて)→緩めるということを繰り返しますが、

動作が伴うので、
人前では行いにくいという面があります。

 

それに対して、等尺性リラクゼーションは
目立つ動作が伴わないので、
人のいる場所や不安場面などにおいても
行いやすいというメリットがあります。

 

本書には以下の4種類の
等尺性リラクゼーションが紹介されています。

★座っているとき(足の場合)

★座っているとき(腕の場合)

★立っているとき(足の場合)

★立っているとき(腕の場合)

 

例えば、座っているとき(足の場合)は
以下の手順で行います。

 

①小さく息を吸い込み、7秒間息を止める

②息を止めている間は足をくるぶしのところで交差させておき、上になっている足は下の足を押さえつけるように、反対に下になっている足は上の足を押し上げるように力を加えることで、ゆっくり足の筋肉を緊張させる。あるいは、くるぶしで両足をからめ、2本の足を反対方向に横に引っ張り合うことでも緊張を高めることができる

③7秒たったら、ゆっくりと息を吐きながら「リラックスしよう」と自分に話しかけながら筋肉の緊張をゆるめる

④緊張をゆるめたら目を閉じ、1分間ゆっくりと呼吸をしながら、息を吐くたびに「リラックスしよう」とつぶやき、緊張をゆるめた状態を保つ

●福西勇夫監修『不安障害がよくわかる本』
(主婦と生活社/2008/P121~123)より引用

 

力いっぱい筋肉を緊張させると
等尺性リラクゼーションといえども大変なので、
無理しない範囲(力を入れすぎない範囲)で
行うのがポイントです。

これは筋トレではなくて
あくまでリラクゼーションなので、
リラックスすることが大事です。

 

また、「目を閉じ、1分間」というところが
できない場合もあると思いますが、
できる範囲で大丈夫です。

完全性にこだわりすぎると、
リラクゼーションから離れていってしまう
ことにもなりかねないので注意が必要です。

 

等尺性リラクゼーションは、
いきなり不安場面で行うのではなくて、
あらかじめ何度も練習しておくことによって
効果が発揮しやすくなります。

本書では、1日1回の練習を推奨しています。

 

ここでは文章のみ引用して手順を紹介しましたが、
『不安障害がよくわかる本』には
イラスト付きで分かりやすく解説されています。

興味のある方は読んでみてください。

等尺性リラクゼーションは、
場所や場面を問わず行いやすいので、
身に付けておくと、きっと役に立ちますよ。

 

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今日も、ありがとうございます!

皆さまが、笑顔いっぱいでありますように!