エビデンス・ベイスト 心理療法シリーズ 社交不安障害 ~不安の3つの要素

今日は、カナダの在住の
マーチン・M・アントニー先生とカレン・ロワ先生の共著、
エビデンス・ベイスト 心理療法シリーズ 社交不安障害
を紹介します。

本書より、「不安の3つの要素」というテーマを採り上げて、
それについても書いていこうと思います。

 

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『エビデンス・ベイスト 心理療法シリーズ 社交不安障害』は、
B5サイズ・117ページの大きくて、比較的薄い本です。

薄い中に、専門的な内容が、ギュッと凝縮されています。

治療者、援助者(専門家)向けの内容となっています。

 

本書には、社会不安障害(SAD)の各種症状やアセスメント、
認知行動療法を中心とした治療法についてなどが
詳しく解説されています。

エクスポージャー(曝露)や、
ソーシャルスキルトレーニング(SST)を含めて
認知行動療法の複数回のセッションをどのように進めていけばいいかも
解説されているので、

援助者として、曝露やSSTを
効果的に活用していきたいと考えている私にとって、
とても参考になりました。

 

また、本書の巻末には、SADの重症度測定用テストや、
各種記録用紙などのツールも付属しており、
ちょうど、自分のツールを作成しようとしていた私にとっては
タイムリーな嬉しいプレゼントになりました。

 

ここで本書より、「不安の3つの要素」について
書かれている部分を引用します。

 

不安は3つの要素から成っている:身体的要素(私たちが感じること)、認知的要素(私たちが考えること)、行動的要素(私たちがすること)。

●マーチン・M・アントニー、カレン・ロワ共著
『エビデンス・ベイスト 心理療法シリーズ 社交不安障害』
(金剛出版/2011/P47)より引用

 

不安の3つの要素を、もう少し分かりやすく書きますね。

身体的要素は、息切れ、めまい、震え、赤面、ドキドキなど。

認知的要素は、不安や恐怖に結びつく思い込み、信念、思考など。

行動的要素は、回避、逃避、安全確保行動、過度の依存など。

 

3つの要素は、それぞれが互いに影響し合っていて、
どこからでも不安の循環が始まる可能性があります。

援助者(カウンセラー)としては、3つの要素それぞれに、
バランスよく(バランスは、クライエントさんごとに違います)
取り組んでいきたい、援助していきたいと思っています。

 

また、クライエントさん側の視点から見ても、
不安や症状をごちゃ混ぜの一固まりとして考えるだけではなくて、

3つの要素に分類して捉えることで、
それぞれの不安や症状に対する日常の心がけがしやすくなったり、
自己洞察がしやすくなったりすると思います。

(3つの要素は、互いに影響し合っているということも考慮しつつ)

 

一度、ご自分の不安・症状を3つの要素に分けながら
紙に書き出して、整理してみると
何か新しい気づきやヒントを見つけられるかもしれません。

ピンときた方は、やってみてくださいね。

 

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今日も、ありがとうございます!

皆さまが、笑顔いっぱいでありますように!