今日は、田島治先生の本、
『これって性格?それとも「社交不安障害」?』を紹介します。
本書より引用しながら、
抗うつ薬SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)
の効き具合についても書いていきます。
『これって性格?それとも「社交不安障害」?』は、
社会不安障害の症状や治療法、薬についてなど
社会不安障害に関する情報が一通り、
読みやすく、分かりやすくまとめられている本です。
読みやすさの中にも、深い内容が散りばめられており、
私としても勉強になりました。
例えば、SSRIの効き方について書かれたこの箇所。
SSRIを服用していると、不安や恐怖に対し、自然と鈍感になっていき、「まぁいいか」と思えるようになります。
そのくらいがちょうどいい鈍感さなのですが、「まぁいいか」を通り越して、「どうでもいい」という気持ちになってしまう場合があります。
●田島治著『これって性格?それとも「社交不安障害」?』
(大和出版/2013/P70)より引用
SSRIなどの薬を服用する場合は、
精神科医によって、薬の種類や量を調整・処方されると思います。
厳密に言うと、SSRIにも
デプロメール、ルボックス、パキシル、ジェイゾロフトなど
いくつもの種類が有り、それぞれに特徴があるのですが、
ここでは、大ざっぱにSSRIという一括りで考えます。
SSRIは、セロトニン量の低下を改善することによって、
脳内物質のバランスを整えていく薬です。
それによって、抑うつ症状や不安・恐怖を抑えます。
本書では、SSRIが効いているサインとして、
「まぁいいか」をひとつの目安としています。
なるほど、比較的分かりやすいサインですね。
(本人にとっては、そうとも限らないと思いますが)
これが、効き過ぎると、「まぁいいか」を通り越して
「どうでもいい」という気持ちになることがあるようです。
ここで言う「どうでもいい」には、
無気力、無関心、衝動的になる、キレやすくなる
という意味を含んでいます。
薬を服用している本人には、
自分が「まぁいいか」の状態なのか、
「どうでもいい」の状態なのか
自覚しにくいことも多いかと思いますが、
周囲の目から見ると、
薬の効き具合の一つの目安になると思います。
身近にSSRIを服用中の人がおられる方は、
頭の片隅に入れておかれるといいと思いますよ。
(絶対的なものではなくて、あくまで目安・傾向として)
『これって性格?それとも「社交不安障害」?』
現在、社会不安障害でお悩みの方ご本人や、
身近におられる方にお勧めしたい、読みやすくてためになる本です。
今日も、ありがとうございます!
皆さまが、笑顔いっぱいでありますように!