家族収容所 愛がなくても妻を続けるために

今日は、信田さよ子先生の本、
家族収容所 愛がなくても妻を続けるために
の紹介と、読んだ感想などを書いていきます。

 

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『家族収容所 愛がなくても妻を続けるために』

非常にインパクトのあるタイトルですよね。

内容としては、DV(夫婦間暴力)に関する本です。

信田先生が「怒り」を込めて、思いを吐き出しておられます。

 

私は、中立の立場で読みました。

本書の内容を拾い集めて、非常に大ざっぱに
1つのモデルケースを示すと下記のようになります。

(あくまで無数にあるケースの中の1つです)

(私というフィルターが、若干影響しています)

 

———-「モデルケース」は、ここから———-

自分を正当化しながら、妻に向けて暴力を振るい続ける夫。

暴力を受けながらも、離婚の道を選ばない妻。

そこには、経済的な理由に加えて、
妻・母という肩書きを失うことへの恐れが存在している。

 

妻は、家庭を維持し、自分の精神を保つために
「病気の夫(かわいそうな人)を救う」というポジションを選び、
暴力を受けながらも、巧みに夫を支配・コントロールしようとする。

そして、共依存の関係を強化していく。

家族システムの歪みは、やがて子どもに表れるかもしれない。

———-「モデルケース」は、ここまで———-

 

DVは、本来耐えるべきものではない「犯罪」です。

夫からの暴力行為が、日々継続的に行われているということを考えると、
妻の辛さ、苦しさ、悲しさ、怒り、絶望感など、
並々ならぬものがあると思います。

 

カウンセリングの場面では、夫からのDVに対して、
どのように対処していくのかを最終的に決断するのは
あくまでクライエントさん(妻)。

カウンセラーの私としては、
どんな決断にしろ、じっくりと話を聴きながら、
援助していく形となります。

(緊急の対応を要する場合は別として)

 

話の流れを突然変えてしまいますが、
ここで、信田先生の怒りの言葉を引用します。

 

平気で浮気して、責められれば逆ギレして「おまえにも責任がある!」と叫ぶ。

妻が負けずに反論すると暴力を振るう……。

ああ、もうこんな男のことは書きたくない。

なんだか書いている自分がどんどん汚れていく気がする。

●信田さよ子著『家族収容所 愛がなくても妻を続けるために』
(河出文庫/2012/P249)より引用

 

「そうだ!そうだ!」と、心が動かされた方も
おられるのではないでしょうか。

続いて、巻末の「おわりに」から引用します。

 

もう、言いたいこと、書きたいことは出しきった! という感じだ。

実にさわやかである。

●信田さよ子著『家族収容所 愛がなくても妻を続けるために』
(河出文庫/2012/P267)より引用

 

この「おわりに」を読んで、思わず笑ってしまいました。

(親しみを込めて)

なぜなら、私までスッキリして
さわやかな気分になってしまったからです。

 

私は男性ですが、DVやパワハラ系の行為は好きではないので
信田先生の書かれていることに同感(カウンセリング的共感ではない)
しながら読みました。

 

長くなりそうなので、ここでまとめます。

本書は、DVの被害を受けて悩んでいる方が読むと、
とても参考になる本です。

ただし、現在ギリギリのところでバランスを取りながら
持ちこたえておられる方にとっては、
現実を直視することにつながり、心が痛むかもしれません。

(その場合は、精神医学に詳しくて信頼できるカウンセラーに
相談していただいた方がいいと思います)

 

なお本書は、内容は重たいですが、
結婚前の女性が事前勉強(社会勉強)として読んでおくのにも
いい本だと思います。

 

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今日も、ありがとうございます!

皆さまが、笑顔いっぱいでありますように!