家庭内のパワーゲームに巻き込まれる援助者

信田さよ子先生の本、
『アディクションアプローチ もうひとつの家族援助論』
を読みました。

今日は、その本の簡単な紹介と、
「家庭内のパワーゲームに巻き込まれる援助者」
というテーマについても書いていきます。

 

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『アディクションアプローチ もうひとつの家族援助論』は、
依存症(アディクション)そのものよりも、
依存症の人のいる家庭内で繰り広げられている
パワーゲームについて深く解説された本です。

 

パワーゲームとは、
お互いが相手をコントロールしようとすること。

暴力を受けながらも夫から離れない妻が、
実はダメな夫をコントロール(支配)することで
自分を満たしているというケースもあります。

 

本書の事例では、家庭に出入りしている訪問看護の看護師さんが、
家族のメンバーの悩みを聴いていくうちに
パワーゲームに巻き込まれていく様子が描かれています。

 

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「私がなんとかしてあげなくちゃ」

そんな思いから一生懸命話を聴くことになりますが、
一生懸命聴けば聴くほど家族の問題に巻き込まれて、
身動きが取れなくなってしまいます。

 

現実に、そういった状態に陥っている看護師さんも
おられるのではないでしょうか。

本書では、そういった看護師さんに向けて、
どんなスタンスで家族に関わっていけばいいのかが
詳しく解説されています。

※関わり方だけでなく、
自分自身を見つめること(の重要性)についても
解説されています。

 

私も読みながら、現実に起こりうる問題として、
改めて学ばせていただきました。

 

「私がなんとかしてあげなくちゃ」

自分の価値判断通りに相手をコントロールしようとする思いが
援助者の中にあるとしたら……

それも1つのパワーの行使。

 

「相手のため」といいながら、
「自分のため」(パワーの行使による満足感や支配する快感を得る)
になってしまっているとしたら……

それも1つのパワーの行使。

 

援助ではなく、家庭内に発生した新たなパワー源として、
より問題(パワーゲーム)を複雑化させてしまうことにつながります。

※家庭内の共依存の関係に援助者が参加してしまうことになる。

※家族もまた、援助者をコントロールしようとしている状態。

 

私も本書を読みながら色々考えさせられました。

ヒントもたくさんもらいました。

 

問題を複雑化させるパワー源にならず、共依存にも加わらず、
専門家としてどのように支援していくか、
改めて整理して、今後に活かしていこうと思いました。

 

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今日も、ありがとうございます!

皆さまが、笑顔いっぱいでありますように!