不安障害の症状の根底に、
発達障害の傾向が見え隠れしているケースは、
実は少なくありません。
私自身もそういったケースの方とお会いすることが多いため、
最近、発達障害に関してこれまで以上に
理解を深めるために復習&学習しています。
その一環として、星野仁彦先生の
『発達障害に気づかない大人たち』という本を
数年ぶりに読み返してみました。
この本は、ADHD(注意欠陥・多動性障害)、
AS(アスペルガー症候群)を中心とした発達障害全般について、
分かりやすく要点がまとめられている本です。
タイトルに「大人たち」とあるように、
「大人の」「大人になりつつある過程の」発達障害に
焦点が当てられています。
ADHD/アスペルガーの自己診断ツール(※)なども
記載されていますので、
「自分が当てはまるのではないか?」
と感じておられる方にもおすすめの一冊です。
※簡易的な自己診断のためのものですので、参考程度にとどめ、
実際の診断は専門医に診てもらってください。
(診断できる能力の有無に関わらず、
カウンセラーには診断をする権利がないのです)
さて、発達障害の場合は、
「症状をきれいさっぱり無くす」のがポイントではなくて……
「今ある自分を受け入れて(障害というより特徴であると捉えて)」
「苦しくならないスキルや考え方を身に付けて」
「日常生活や社会生活に困らないスキルを身に付けて
(自分の特徴に合わせた工夫をして)」
「自分を発揮しやすい環境に身を置いて」
「自分の中のいい部分を伸ばしていく
(人並みはずれた集中力を発揮し、成功される人も多い)」
……ということが大事だと私は考えています。
『発達障害に気づかない大人たち』の中にも、
「自分の特性を捉えて、受け入れて、工夫する」ということの
重要さが書かれていました。
例えば、本書より
「日々の暮らしのなかでできる九つの工夫」
の項目のみを抜粋すると……
①まずやるべきことをやる—一覧表を使って順序立てて考える
②自分だけの時間と場所を作る—「クールダウン」することが重要
③便利なものは何でも活用する—ハイテク機器の活用で家事の負担を軽減
④社交の場での振舞い方—ハンディはちょっとしたテクニックでカバーできる
⑤職場の人間関係の改善—対人スキルを身につける
⑥感情や衝動性のセルフコントロール—自覚することが大切
⑦働きすぎに注意する—バリバリ働く人ほど依存症に要注意
⑧家族団らんの時間を持つ—オンとオフを切り替えて意識的に遊ぶ
⑨自分に合った仕事を選ぶ—キャリア・ガイダンスの重要性
●星野仁彦著『発達障害に気づかない大人たち』
(祥伝社新書/2010/P177-188)より項目のみ抜粋・引用
本の中では一つ一つの項目に解説が付いていますが、
ここでは引用を控えます。
上記の工夫を、出来る範囲で少しずつ深めていき
身に付けていくことができれば、
現状の辛さや苦しさは軽減されていく(度合いは人それぞれ)と思います。
一つ一つの内容に興味のある方は、
本書を読んでみてくださいね。
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発達障害の場合も他の心の病同様に、
メインの症状だけでなく、併発している症状・病気などを
合わせてトータルで見て、様々な可能性を描くことのできる専門家
(お一人お一人に合わせて適切な関わりができる専門家)
にサポートしてもらうことが近道だと思います。
カウンセラーが星の数ほどいる現在では、
カウンセラー選びも大変だと思いますが、
私自身、実際に技術・能力のあるカウンセラーでいられるよう、
これからも学び続けていきますね。
今日も、ありがとうございます!
皆さまが、笑顔いっぱいでありますように!