心を知る技術 ~専門家的な態度が受容を妨げる

今日は、高橋和巳先生の本
心を知る技術』を紹介します。

本書を参考にしながら、
「カウンセラーの専門的な態度が受容を妨げる」
というテーマについても書いていきます。

 

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『心を知る技術』は、
来談者中心療法の技法をベースに
精神分析理論のエッセンスが加えられた内容の
「人の心を知る」ことを学べる本です。

カウンセリングの事例や
著者のカウンセラーとしての体験談が
たくさん載っていて、とても勉強になります。

 

本書の事例には、

★拒食症

★不登校

★恋人が亡くなった事例

★酒害相談

★クライエントの訴えを受容できなかった事例

★主訴と隠された悩みが大きく異なっていた事例

……などが、きめ細かい解説と共に載せられています。

興味深い内容が、盛りだくさんの本です。

 

ここで本書より
「カウンセラーの専門家的な態度が、かえって受容を妨げている場合」
というテーマを取り上げます。

本書では、カウンセラーの専門家的な態度が
かえって受容を妨げている例として
以下の4つの態度を示しています。

 

①評価的態度

「あなたが~だから、~になるのでは」と
クライエントの言動を評価しようとする態度。

②解釈的・診断的態度

「防衛」や「転移」などの専門用語を使って
クライエントに心の状態を説明しようとする態度

③操作的態度

「こう考えなさい」「こうしなさい」と
クライエントを操ろうとする態度

④是認的態度

「君が怒るのは当然だ。君は正しい」という態度
(これは受容とは違います)

 

いずれもクライエントを受容することから離れている態度であり、
これではクライエントに深い安心感をもたらすことができません。

上の②や④などは、私自身も良かれと思って
ついついやってしまいそうになることがありますが、
本書を読んだことをきっかけに
今後気をつけていかねばと改めて思いました。

 

心の専門家として、知識や技術を学び続けることは必須ですが、
自分を上手く制御して知識や技術を適切に活用できる実践力も
もっともっと磨いていかねばと思いました。

自分を上手く制御するというよりは、
自分を徹底的に見つめ直して
「自然にできる」自分でいたいですね。

精進します。

 

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今日も、ありがとうございます!

皆さまが、笑顔いっぱいでありますように!