『家族の悩みにおこたえしましょう』の感想

今日は、信田さよ子先生の書かれた
家族の悩みにおこたえしましょう』という本の紹介と
私が読んで思ったことなどを書いていきます。

 


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信田先生は、約40年のキャリアをお持ちの超ベテランカウンセラーです。

この本では、信田先生がQアンドAという形で、
家族関係の28個の悩みにお答えされています。

 

どんな内容の本なのかをイメージしていただくために
Qのタイトルを、はじめから順番にいくつかあげますね。

 

・64歳の夫との将来の生活に不安をおぼえます モトコ、60歳

・妻が不安定で困っています マサオ、55歳

・親になるのが怖いのです ミチコ、38歳

・妻より姉の面倒をみたいのです タケシ、58歳

・二人の子どもが結婚しません ユミコ、68歳

・どうして私は腹が立たないのでしょう? ユカ、40歳

・娘から毎日のように責められます チエコ、51歳

(他に21個のQがあります)

●信田さよ子著『家族の悩みにおこたえしましょう』
(毎日新聞出版/2012/目次)より抜粋

 

それぞれのQは、約1ページ強の文章で書かれています。

私は悩みの回答を知りたいというよりは、
QアンドAという答えるのが難しい条件下で、
約40年のキャリアをお持ちの信田先生がどのようにお答えされているのかに
興味があり、それを自分の学びにつなげたいと思ったので
読んでみることにしました。

ちなみに、QアンドAのことを「答えるのが難しい」と私が思っている理由は
限られた質問文のみの情報から、裏側にある感情や背景までを読み取って
答えなければならないからです。

 

質問者と対話をしながら一緒に答えを見つけたり、
回答者が立てた仮説に対しての、質問者の反応を伺ったり、
質問者が発する言葉以外の情報を読み取ったりなど
一切行わずに、答えなければなりません。

そういった厳しい条件の下、信田先生が答えられた回答は、
思わず唸りたくなるほど、すごいものでした。

 

Qで与えられた情報が少ない中、数々の仮説を立てながら
理にかなったAを完成させていく。

流石に超ベテランの先生だなと思いました。

 

Aの中には、信田先生の価値観が表れていると感じさせられた部分もあり
(それがなければ、答えようがないと思われる)、質問者が抱く思いから
外れてしまう可能性もはらんでいるとは感じましたが、

信田先生のように、「人間性を前面に出して本気で寄り添っていく姿勢」が
質問者さんにしっかり伝わっていることが大事なのだと思いました。

私は、その姿勢を文章から、ビシバシ感じました。

ここまで自信を持ってお答えされているのは、
やはり約40年のキャリアがあってのことでしょう。

言葉の一つ一つに、大量の知識と経験に裏付けされた重みを感じました。

 

この本を読んで、私は圧倒されました。

「自分には絶対に書けない本だ」と。

 

私はどうしても、少ない情報から仮説を立てる場合は、
なかなか絞り込めずに、他の可能性にも心がまわってしまいます。

おそらく、一つのQに対して、
たくさんのA(仮説その1の場合、仮説その2の場合・・・)
を書いてしまうことでしょう。

Qが5つもあれば、本一冊分になってしまうかもしれません。

それでもきっと、何か書き足らないような気持ちは残ることでしょう。

 

それは、あくまで質問者に寄り添っていきたい
(質問者不在のまま話を進めたくない) という私の思いからきているのですが、

その中には、自信の無さも含まれているのだと思います。

信田先生との力の差を感じさせられました。(精進します!)

 

『家族の悩みにおこたえしましょう』

この本は、DV、虐待、夫婦関係、親子関係など家族のことで
お悩みの方にとって、心強いヒントが満載の本です。

私にとっても、深く学べた一冊でした。

 

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今日も、ありがとうございます!

皆さまが、笑顔いっぱいでありますように!