共感的傾聴術 ~余計な指摘は害になる

昨日から、古宮昇先生の新刊
共感的傾聴術』を読んでいます。

現在、297ページある内の1/3程度
読み進めたところです。

 

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本書は、古宮先生が行っておられる
「精神分析的傾聴カウンセリング」について
とても詳しく丁寧に教えてくれる本です。

 

精神分析理論について

来談者中心療法について

そして、両者を融合させた技法について
詳しく解説されています。

※古宮先生のカウンセリングの事例
(クライエントさんとのやり取り)も解説付きで載っています。

 

本書を読んでいると、古宮先生の圧倒的な知識量と
積み重ねてこられた経験のすごさが
ビシバシと伝わってきます。

カウンセリングにおいて大切なことばかりが書いてありますが、
ここで、その中から1箇所、引用します。

 

コフートはまた、精神分析家が行う仕事は、被分析者についての理解を言葉で伝えることだと述べ、「直面化」という技法に否定的でした。

直面化とは、被分析家の言葉と行動が矛盾しているとき、そのことを指摘して矛盾に気づかせようとすることを指します。

彼は、直面化は余計だし被分析者を見下すものであり、子ども時代のトラウマ体験の再現にさえなり、精神分析過程をひどく損ねかねない、と主張しました。

なおこれらコフートの考えは、来談者中心療法と同じものです。

●古宮昇著『共感的傾聴術』(誠信書房/2014/P27)より引用

 

「なるほど、確かにそうだな~」と思いました。

クライエントさんの話を聴いている間に、カウンセラーの中に
「このクライエントさんは適応的ではない。正さねば」
という欲求が湧いてきて、
クライエントさんの話の矛盾点を指摘したとします。

 

カウンセラーは、自分のやった行為が
効果的で正当なものだったと
自己評価している場合も多いと思いますが……

それって見方を変えると
「カウンセラーが、クライエントさんの話(感情)に、
受容・共感できていないということ」ですよね。

 

もし私がクライエントだとすると……

自分の話に共感してもらえず、
しかも話の中から矛盾点を指摘され、
さらに、「私の分析によると、あなたは○○○○○ですね」と
勝手な分析結果を、あたかもそれが正しいものであるかのように
伝えられたとしたら……

 

やはり、そのカウンセラーに対して
「お金を払ったのに、話を聴いてもくれないんだ」と
残念に思ったり、悔しさを感じたり……

指摘され、勝手な分析をされたことに対して
「大きなお世話だ」「全然分かってくれてない」と感じたり……

「この人に話しても無駄だ」と
聴いてもらうことを諦めたりします。

 

それに、何か話すとまた指摘されると思うので、
「これ以上、話したくない」とも感じると思います。

※心の弱った状態のクライエントさんの場合、
さらに傷つく可能性もあります。

 

……なので、カウンセラーとしての私も
自分の欲求からくる余計な指摘はしないように
気をつけていかねばと思います。

 

クライエントさんは、カウンセラーの
幼児的万能感を満たすための存在ではありません。

だから、カウンセラーの私には、
自分がよかれと思ってやっていることが
本当に適切なのかどうか、
常に振り返り続ける必要があります。

 

「どんなときに、どんな感情が
自分の中に生まれ(呼び起こされ)、
どんな欲求が生まれるのか」

これについても、これからもずっと
見つめ続けていきます。

 

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今日も、ありがとうございます!

皆さまが、笑顔いっぱいでありますように!