双極性障害 ~Ⅰ型とⅡ型で違う躁状態・うつ状態の割合

今日は、貝谷久宣先生の本、
『よくわかる双極性障害(躁うつ病)』を紹介します。

 

本書に記載のデータを引用しながら、
双極性障害のⅠ型とⅡ型で違いの見られる、
躁状態とうつ状態の期間の割合についても書いていきます。

 

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本書は一般の方向けの分かりやすさ重視の本ですが、
さすが貝谷先生の本だけあって内容が濃いです。

(カラーのイラストや図表が多数掲載されています)

 

さりげなく貴重なデータが記載されていて、
とても参考になりました。

 

例えば、このデータ。

症状の出ている期間中における症状の内訳です。

 

●双極Ⅰ型障害

(症状のある期間中)

うつ状態 67%

躁状態 20%

混合状態 13%

 

●双極Ⅱ型障害

(症状のある期間中)

うつ状態 93%

躁状態 2%

混合状態 4%

●貝谷久宣著『よくわかる双極性障害(躁うつ病)』
(主婦の友社/2014/P40)円グラフのデータより引用

 

Ⅱ型のほうが圧倒的に躁状態の期間が短いですね。

しかも、Ⅱ型のほうが躁状態が軽度ですので、
本人が自覚できなかったとしても、周囲が気づけなかったとしても、
不思議ではないですね。

※Ⅱ型の軽躁状態にも、軽い~重いの幅があります。

 

Ⅱ型の場合、症状のあるときの93%がうつ状態ですので、
うつ病と診断されてしまっても仕方がないという面もありますが……

 

うつ状態で精神科に行かれる方は、
正しい診断の助けになるように、先生には

 

・うつ状態の始まった時期(双極性障害のほうが若い年齢で発症しやすい)

・家族に双極性障害の人はいるか?
(必ず発病するわけではありませんが、遺伝性が見られます)

・これまでに気分の高揚や行動の変化など、
普段とは違う躁(軽躁)状態になったことがあるか?

・抗うつ薬によって不安定になったり、躁転が誘発されたりしていないか?

 

以上について、伝えていただけたらと思います。

 

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『よくわかる双極性障害(躁うつ病)』には、
症状や発病の原因、治療法に加えて、
本人の日常の心がけとご家族の接し方も載っています。

双極性障害の方やご家族にとっては、
1冊持っておくと何かと助けになる本だと思います。

 

私にとっては、
「はっきりとしたデータを掲載してくださってありがたいな」
と思いながら読んだ本でした。

内容的にも最新で、オススメの1冊です。

 

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今日も、ありがとうございます!

皆さまが、笑顔いっぱいでありますように!