2回目以降のカウンセリングの開始時の言葉

5年ほど前に購入した山本次郎先生の本、
『カウンセリングの実技がわかる本 上巻』
を読み返しています。

この本は、カウンセリングの実技・実践(練習を含めて)
について詳しく書かれた、カウンセラー向けの本。

 

練習問題がたくさん載っていますので、
一つ一つ取り組むことによって、
得られるものが大きい本です。

 

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今回2~3年振り(?)くらいに読んだ気がしますが、
前回読んだときよりも、本書の内容について
「起こり得る現実として」「深く」理解できている
自分に気がつきました。

 

勉強と実践経験の積み重ねが効いているのかな。

おそらく今から2~3年後に再度読み返すと、
今よりさらに「起こり得る現実として」「深く」
理解できている自分に出会えることと思います。

 

そんな自分に出会えることを楽しみに、
これからも勉強と実践を続けていきます。

 

flower160321

 

さて、本書に
「カウンセラーが、2回目以降の面接開始時に言わない方が良い言葉」
について書かれていました。

「私自身、気をつけなければ」と思いましたので、
ここで紹介します。

 

第2回面接の開始時にカウンセラーが言う方が良い言葉とは何か?

それは「今ここで」のクライエントの心境を聞くことである。

つまり次のように言えば良い。

①「今日はどんな話ですか」

②「どんなことでもどうぞ」

③「今どんなお気持ちですか」

 

逆に、次のような言葉を、第2回面接の始まりの時点でカウンセラーが発言すると、失敗が多い。

①「その後、どうでした」

②「方針は決まりましたか?」

③「前回は職場の人間関係のお話でしたね。その後どうなりました?」

●山本次郎著『カウンセリングの実技がわかる本 上巻』
(コスモス・ライブラリー/1999/P128)より引用

 

私なんかもそうですが、
通常カウンセリングの前に、
これからお会いするクライエントさんとの
これまでのセッションの経過を振り返ったり……

その日のカウンセリングの進め方や提案することなどを検討したり、
それに基づいて準備をしたりするカウンセラーが
多いと思います。

 

その流れ(前回ベースでの検討や準備など)で
クライエントさんにお会いすると、
「その後、どうでした?」と
ついつい聞いてしまいそうになったとしても
不思議ではありませんが……

 

前回のセッションからは時間が流れ、
クライエントさんの心の中が変容したり、
主訴や話したいことが変化しているケースが、
実際にはとても多いです。

(変化していて当たり前)

 

それなのに、カウンセラーが
「その後、どうでした?」と聞いてしまうと、
(つまり、過去の問題や話題に引き戻してしまうと)
クライエントさんが「今話したいこと」を
話すことの妨害にもなりかねない。

そして、それだけではなく、
カウンセリングの進展(クライエントさんの気づきの深まりなど)を
妨げることにもなりかねない。

 

カウンセラーとして、
本当に注意しなければと思います。

 

本書には、山本先生がお勧めする
「最良の開始の言葉」も書かれていました。

 

それは「前回は職場の人間関係のお話でしたね。その続きでも、また別の話でも、どうぞ…」と言う言葉である。

●山本次郎著『カウンセリングの実技がわかる本 上巻』
(コスモス・ライブラリー/1999/P130)より引用

 

「前回は○○○のお話でしたね。
その続きでも、別の話でも、どうぞ…」

 

この言葉だと、クライエントさんは
「今話したいこと」を話すことができますね。

そして、それだけではなく、前回の内容を軽く振り返ったり、
前回の内容と「今話したいこと」を照らし合わせて
比較検討したり、もしかしたら何らかの気づきも
得たりすることができるかもしれませんね。

 

今回復習したことは、今後に活かしていこうと思います。

 

今、カウンセリングに通われている方、
ちゃんと話したいことを話せていますか?

もしそうではないとしたら……

それは、カウンセラーの問題であり、
カウンセラー自身が正していかねばならない部分。

私自身、気をつけていきますね。

 

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今日も、ありがとうございます!

皆さまが、笑顔いっぱいでありますように!