今日は、ずっと私の心に残っている、
セッションでの体験談を書きますね。
ゲシュタルト療法の技法の1つに
エンプティチェアというものがあります。
エンプティチェアは、
対面させた2つのイスの片方に自分が座り、
もう片方のイスに、対話したい人物や
もう1人の自我などのイメージを置いて
対話する技法です。
私もセッションで何度か活用したことがあります。
他の心理療法家のエンプティチェアのセッションを
間近で観察させていただいたこともあります。
3年程前に行ったエンプティチェアのセッションで
印象深いことがありました。
そのときのクライエントさんは、
数十年間に渡り母親のことがずっと大嫌いで
言い争いばかりしていた60代の女性です。
セッションでは、対面するイスに母親のイメージを置いて
対話していただきました。
「お母さんにずっと伝えたかったこと」を吐き出していただいた後は、
対面するお母さんのイスに移動していただき
お母さんになりきってもらいます。
そして、お母さんとして、
対面に座っている子ども(クライエントさんご自身)のイメージに
話しかけていただきました。
そんな風に、何度かイスを行ったり来たりしながら
対話していただいているうちに、
そのクライエントさんの表情がパッと明るくなりました。
「ああ、そうだったんだ!」
クライエントさんは、あることに気づきました。
そのクライエントさんにとっては、
とても大きな意味のある気づきです。
※ゲシュタルト療法では、このような気づきのことを
「アハー体験」と言います。
「ずっとお母さんのことが大嫌いで、
憎んでいると思っていたけれど……」
「そうじゃなかった!本当は大好きだったんだ!」
そのクライエントさんは、涙を流しながらも
スッキリとしたような笑顔を見せてくださいました。
その後は、ジャッジや分析などの余計なことはせずに
ただ、寄り添って話を聴きました。
数十年越しの気づき。
「本当は大好きだったんだ!」
そのときのクライエントさんの
晴れ晴れとした嬉しそうな表情がとても印象的で
今でも心に残っています。
こうした1つ1つの印象的な出来事を思い出すたびに
また、これからも頑張っていこうという
気持ちになります。
本当に、ありがたいことです。
今日も、ありがとうございます!
皆さまが、笑顔いっぱいでありますように!