はじめての精神科 ~プライベートな情報を尋ねられた場合

春日武彦先生の本
はじめての精神科』を読みました。

 

本書は、患者さんがはじめて精神科に行くための
マニュアル本ではありません。

援助者が現場で遭遇する
数々の難しいケースに対する
知識と心構えを教えてくれる本です。

 

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例えば、カウンセラーがクライエントさんに
プライバシーに相当することを
尋ねられた場合の対応について。

 

プライベートな情報を教えることで生ずる関係性は、最終的には介護者が仕事とは別に一肌脱いであげることを期待されかねない。

そこまでしてあげる覚悟と余裕があるのならいざしらず、そうでなかったら、むしろ「なんでも期待に添えるとは限らない」ことをさりげなく教える良いチャンスなのである。

●春日武彦著『はじめての精神科 第2版』
(医学書院/2011/P146)より引用

 

私にも、クライエントさんからの質問に対しては、
できるだけ答えてあげたいという気持ちは
もちろん湧いてくるのですが……

その部分、注意が必要です。

 

プライベートな情報を必要以上に伝えることで、
カウンセリング関係
(通常の友人・恋人・知人ではない。あくまでクライエントとカウンセラー)
という枠が、保ちにくくなってしまいます。

 

特別な便宜を図ることを期待され
それに応えるというやり方では、
クライエントさんの依存心や要求を
大きく育ててしまうことにつながりかねません。

また、おそらくこれまでクライエントさんが日常で繰り返してきた
相手との境界線が明確になっていない行動を
再現するだけに終わってしまう可能性もあります。

 

例えば、クライエントさんが、自分自身で問題と向き合おうとせずに

「カウンセラーに何とかしてもらおう」

「カウンセラーが治してくれなければ困る」

……という気持ち(過度の依存)になってしまっては、
カウンセリングそのものも上手く機能しません。

 

なので、引用文に書いてある
”「なんでも期待に添えるとは限らない」ことをさりげなく伝える良いチャンス”

このチャンスを上手く活かせるように
自分を磨いていかなくてはと思いました。

※それが、クライエントさんのためにもなります。

 

具体的には、否定されたと感じさせずに
クライエントさんに納得していただける言葉で
伝えていきたい。

そう思いました。

 

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今日も、ありがとうございます!

皆さまが、笑顔いっぱいでありますように!