境界線を引く(ノーと言う)ためのルールを決めておく

今日は、NPO法人レジリエンスさんが著者の本、
『傷ついたあなたへ わたしがわたしを大切にするということ』
を紹介します。

「ノー」を言うのが苦手な方が、
「ノー」が言えるようになるための工夫についても書いていきます。

 

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本書は、DVによるトラウマで、
心が傷ついている方に寄り添ってくれるワークブックです。

どんな風にして自分を見つめ、
どんな風に回復に向けて取り組んでいけばいいのかについて教えてくれます。

カウンセラーの立場から読んでも、
参考になったり復習になったりするところが多数ありました。

 

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不安障害でお悩みの方は、以前の私も含めて
「ノー」を言うのが苦手な方が多いです。

 

知人から誘われて、本当は行きたくないのに、
相手に合わせて渋々参加したり……

友人からある商品を強く勧められて(売り込まれて)、
本当は欲しくないのに仕方なく購入したり……

 

自分が納得した上で、自分自身の選択として、
友人・知人に合わせるのなら、それほど悩まないと思うのですが……

自分が納得していないのに、
相手に押し切られる形で嫌々合わせた場合、
それは自己嫌悪だったり、後悔だったり、怒りだったり、
境界線に踏み込んで来られた(コントロールを奪われた)恐怖感だったり、
様々な嫌な感情につながりますよね。

 

そうならないためには、ときには「嫌なものは嫌」という必要が出てきます。

では、どうやって「ノー」を言えばいいのか?

そのヒントが本書に書いてありました。

 

ここには踏み込んでほしくないと思う事柄にあらかじめルールを決めておき、境界線を意識しやすくする方法です。

例えば友だちが家にきてタバコを吸われると嫌な気分になるが、やめてとは言いにくいという場合。

あらかじめ「うちではタバコ禁止です」というルールを決めておきます。

そうすれば「タバコ吸っていい?」と言われても「うちではタバコは禁止なの。ベランダならOKよ」とスムーズに対応できます。

●NPO法人レジリエンス著
『傷ついたあなたへ わたしがわたしを大切にするということ』
(梨の木舎/2005/P071)より引用

 

「うちでのルール」「My ルール」「仕事上でのルール」など、
ルールを作っておく方法はかなり広範囲で使うことができますし、
何らかの形で既に使っておられる方も多いと思います。

 

ルールを作っておくと、相手に強めに誘われた場合でも、
その場でどうしようかなぁと困ったり考え込んだりしなくても、
「うちでは、それをしないということに決めています」
と言えば済みますので、嫌々押し切られることが減ります。

それに、「うちでは」と言うことによって、
「自分だけでは決められない問題なんだ」ということを
暗に示すこともできます。

 

もちろん、「うちでは」と言わなくても、
「私はこう決めています。これは私にとっては大切なMy ルールなのです」
と伝えることもできます。

これは「うちでは」というよりもハードルが高くなると思いますので、
言いにくい方は、段階的に練習をしていただけたらと思います。

(自尊心を高めるためのトレーニングにもなります)

 

「My ルール」や「仕事上でのルール」など、
ルールは私にもたくさんありますし、
あなたにも「すでに持っておられるルール」や
「これから作りたいルール」など、たくさんあると思います。

 

友人に相談したり、本などの情報を参考にしたり、
家族で話し合って決めたりなど、
ルールを決める上でいろいろな方法がありますが、
いずれにしても自分の正直な気持ちを大事にしていきたいですね。

(自分勝手な反社会的なルールを設けるという意味ではなくて)

 

……というわけで、「ノー」を言うのが苦手な方、
今日の内容がしっくりきましたら、参考にしてみてください。

 

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今日も、ありがとうございます!

皆さまが、笑顔いっぱいでありますように!